エアコンの中は思いのほか汚れています。掃除をせずに使用することで、カビの胞子やほこりなどを部屋に撒き散らしている?と気になるのではないでしょうか。
エアコンは他の家電製品と違い、外側の掃除だけでは終わりません。内側を掃除する必要があります。 しかし、自分でエアコンの中を掃除するのは手間がかかりますし、エアコンクリーニングの専門業者に依頼するとそれなりの費用がかかってしまいます。 「そろそろエアコンの内側の掃除が必要かも…前回掃除したのはいつだっけ…?」
この記事を読んで、エアコンの掃除の頻度はどれくらいが適切か?どのように判断するといいのか?といった悩みを解決しましょう。
1.エアコンの使用頻度から判断する掃除のタイミング
「2週間に1度はフィルターの掃除」が目安だと言われていますが、実際にはエアコンの使用頻度によって大きく変わります。 例えば,1年間使用していないエアコンのフィルターはほとんど汚れていないので掃除する必要がありません。しかし、毎日運転させているエアコンの場合は1週間に1度はフィルターをチェックした方が良いでしょう。
1-1.帰宅してから寝るまでの時間だけ使用している場合
共働きや一人暮らしでは、このタイプが多いかと思います。2時間~4時間の運転といった所でしょうか。 この場合は、フィルターを2週間に1度はチェックしましょう。
フィルターの掃除と同時に室内機の上部にほこりが溜まっていないかどうかも気になるところでです。上部から部屋の空気を取り入れるタイプのエアコンもありますので、その場合は2週間に一度はチェックして掃除機などで埃を吸い取っておくといいでしょう。
また、室内機の中(冷却フィンやファン)は3~4年に1度、本格的に掃除したいものです。特に冷却フィンは冷暖房の効率に大きく影響し、汚れが付いた状態での運転はエアコンに負担を与えます。
1-2.夜帰宅後、寝ている間も運転している場合
寝苦しい夏は連日、このような使い方をすることが多いでしょう。1日にエアコンを8時間~12時間つけている計算です。 フィルターは1週間に一度はチェックしておきましょう。 室内機上部から空気を取り入れるタイプのエアコンなら、2週間に一度、上部の埃を掃除しておくと良いでしょう。 また室内機の中の本格的なクリーニングは3年に1度が望ましいといえます。フィルターをはずすと冷却フィンが見えますので汚れ具合を確認してみましょう。
1-3.ハイシーズン中は24時間つけっぱなしの場合
エアコンは、冷房なら暑い部屋を設定温度まで冷やすまで、暖房なら寒い部屋を暖めるまでの間の電気使用量が最も多く、設定温度に達すると比較的少ない電気量で運転する特性があります。
この特性を考慮して、真夏はエアコンを止めずに運転させておくという使い方が増えてきました。 つまり、1日に24時間の使用です。
風量を自動運転にしていると、微風状態が多くフィルターを通る風は少なくて電気量もそれほど多くないのでは?と思うかもしれませんが、フィルターは1週間ごと、できれば3~4日に一度はチェックしておく必要があります。 室内機上部のほこりも忘れずに取り除いてください。
室内機の中の冷却フィンやファンの掃除は3年に1度位は本格的にやっておきたいものです。使用時間が長い分だけ室内機の中は汚れやすく、掃除の必要性は高くなります。
1-4.エアコンを使う時期、使わない時期
室内機の上部のほこりは、運転していなくても自然と積もっていきます。エアコンを使用する期間中は、使用頻度にかかわらず2週間に1度は掃除しておきたいものです。 そして、春や秋などの過ごしやすい時期が終わって、しばらくエアコンを使わなかった場合は、使い始める前にエアコン室内機の上部を掃除しておくといいでしょう。 特に上部から空気を取り入れるタイプのエアコンは上部の方までフィルターがあって、そのフィルターにも埃が溜まっていることがあります。
2.エアコンの状態から判断する掃除の頻度
エアコンの使用頻度から掃除すべきタイミングを計るのも基本的な目安として有効ですが、実際にはエアコンの状態や部屋の状態で大きく変わる場合があります。 どのようなことからそれを判断すればいいのでしょう。
2-1.部屋の用途が掃除の頻度に影響を与える
部屋は様々な用途に分かれて使用します。それぞれの部屋の環境でエアコン室内機の内部の汚れ状態が変わってきます。
2-1-1.ほこりの多さ
普段の生活の中で、日の光が差し込んでいるところにほこりが空気中を舞っている様子が見えることがあります。言い換えれば、日の光が差し込んでいなければ空気中のほこりは目立たず、見えにくいものです。
部屋によってほこりが舞う量はかなり違うもので、寝室で布団の上げ下ろしをする場合は、その度にたくさんのほこりが舞い飛びます。服を着替える部屋、人が頻繁に出入りする部屋もほこりが出やすい部屋といえます。
また、部屋の中だけが原因ではなく、外からほこりが舞い込んでくるような場合があります。 比較的強い風が吹く地域では外からほこりが入り込みやすく、窓を開けて風を通していると砂なども舞い込みます。車の通行の多い道路の近くでは車が舞い上げたほこりが入ってきます。
2-1-2.油分やタバコ
キッチンで油を使った焼き物や天ぷらなどの料理をすることで、換気扇では取りきれない油分が部屋中に広がります。キッチン周りには油分独特のベタついた汚れがつくことはご存知の通りです。このような部屋では、当然のことながらエアコンの室内機の中にも空気中の油分が取り込まれていきます。
エアコンを運転しながら部屋でタバコを吸う人は減ってきたかもしれません。エアコンはタバコの煙とヤニでベタついた空気を吸込み、内部をベタベタにしてしまいます。 ベタつきはエアコンが吸い込んだ埃をアルミフィンやファンに吸着させ、更に汚れを重ねることになります。
2-2.フィルターから推定できる部屋の条件と掃除の頻度
最も掃除しやすいパーツがフィルターです。特別な条件を考慮しなければ最低2週間に一度は掃除するのが目安です。このフィルターの状態を見て、その部屋の条件がエアコンに与えている影響を推測できます。
2-2-1.まずは量をチェック
1日2~4時間で2週間エアコンを使用してフィルターをチェックしてみます。フィルターに付着した量を他の部屋のエアコンのフィルターと比べてみるのもいいしょう。通常は2週間ほどならほこりがうっすらとついている程度、ほこりが沢山ついているようならほこりの多い部屋だと考えられます。 ほこりの多い部屋なら、早めの掃除が必要だと判断してよいでしょう。
2-2-2.ほこりの質をチェック
綿ぼこりのようなものなら衣類や布団から出たものです。細かい砂埃のようなものなら外から入ってきたほこりとみていいでしょう。 また、色が白や淡い灰色なら通常のほこりですが、真っ黒な場合もあり、これは車の通行量の多い道路からのほこりとみて良いでしょう。茶色いほこりは油分やタバコの汚れです。
気をつけたいのは茶色いほこりです。油分かタバコの汚れと考えられ、室内機の中にベタつき汚れが広がって、内部に埃を吸着しやすい状態だと判断できます。その場合はフィルター自身もベタついているので洗剤で洗う必要があるでしょう。 この場合、通常より高い頻度でエアコンを掃除する必要があります。油汚れが多いなら1年に一度のエアコンクリーニングが望ましいでしょう。
2-3.エアコンの状態を目で見て確認
フィルターを掃除するついでに、冷却フィンの汚れ具合を見ておくとよいでしょう。 冷却フィンは、材質がアルミ製で薄い板がたくさん並んでいる形状です。そこに埃などが溜まっていなければOKです。 ファンも、ライトなどで吹き出し口の奥を照らして、埃のつき具合や汚れ具合が確認できます。
3.さいごに
このようにエアコンの使用頻度が高いほどこまめな掃除が必要になってきます。どれくらいの頻度で掃除すべきかは部屋の状況や汚れの種類によって大幅に変わってきます。
通常の綿ぼこりは、人が生活していく上でどうしても出てしまうものですが、部屋をこまめに掃除することで減らすこともできます。
タバコはエアコンを使う部屋では吸わないのが賢明でしょう。
キッチンや、リビングルームとキッチンが一体になったスペースに取り付けられたエアコンは、油汚れが避けられない場合もあります。油を使う場所からなるべく離れた位置に室内機が取り付けられていれば、掃除の回数は少なくて済むでしょう。 自分でやれば手間がかかる、業者に依頼すれば費用がかかるエアコンクリーニングですが、衛生面や電気代を考えると、必要なタイミングで適切にやっておくことが望ましいでしょう。